Home匠日記2010年2010年12月綾城焼茶器三昧、のハナシ

茶器三昧、のハナシ

作者: 中村博 2010年 12月 15日(水曜日) 00:00
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ある晩、友人の店で呑んでいたら、彼が言った。
「ヒロシさん、茶器、造らんや」
茶道は奥が深い。
当然使う器も深いのである。
思えば半ば義務的に日常雑器と取り組んで来た。
駆け出しの頃の喜びや感動も薄らいで、マンネリ化していたのは否めない。
針でポツンと突いた様な灯りだが、友人のひと言で見えて来た様な気がする。

ayajo3書棚の肥やしと化していた茶器の辞典を引っ張り出すと、それに首っぴきになった。
来る日も来る日も抹茶碗を造った。

むき出しになる高台部分の手触りを滑らかにする為、粒子の細かい粘土を特注し、土練機は敢えて使わず菊練りをした。何年振りの菊練りだろう。よいしょ、よいしょ、と練ってはふぅ~と脱力する私の様子を見て、ハシグチ君とアケミさんが笑った。
笑えば笑え、私は真剣だ。
茶道では人に恥をかかせない様にするのが常識なのだ。
親方がヘタっているのを笑うとは何事だ!ふん!だ。伝統文化は深いのだ。ロクロに残った粘土で花器、水差し、菓子器も造ってみる。薬は油滴天目(ゆてきてんもく)釉を成功させたい、と企んでいる。

師走十五日 中村 博

最終更新日: 2011年 5月 31日(火曜日) 10:02
中村博

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綾城焼