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辰砂(しんしゃ)貧乏、のハナシ

作者: 中村博 2010年 12月 22日(水曜日) 00:00
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ayajo4私が好んで使う釉薬は、「辰砂」という極めて安定性を欠く薬である。
薬の比重、「責め」「寝らし」を含む窯の温度、配置等のバランスがバッチリの時、遊女の紅の様な何とも艶やかな赤を発色する、が、バランスが上手くいかなかった時、赤が控え目になり、紫や青、緑、白の星が飛散する。
これはこれで私は好ましく思っているが、ヒドイ時は赤黒く淀み、薬が垂れて焼き物が板にヘバリ付き、散々である。
「辰砂貧乏」の言葉の由縁である。
思うようにならない女の様で私を悩ませるが窯を開けた時、微笑む紅を見たくて私は辰砂の器を造り続けている。
師走二十二日 中村 博
最終更新日: 2011年 5月 31日(火曜日) 10:02
中村博

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綾城焼