Home匠日記2011年2011年01月木曜:岩崎龍稜(凌雲洞工房)
岩崎龍稜

岩崎龍稜

凌雲洞工房

ウェブサイトURL: http://ryoundo.miyachan.cc/c9236.html

木材の表面加工について ~5.その他~

2011年 8月 29日(月曜日) 09:00
5回目、これで最後になります。
最終回は、細かい注意点になります。

1)防虫加工
特に黒柿は虫の好きな木ですので防虫加工をする必要があります。
又、購入する時も高価な木ですのでそのことを念頭に置いておく必要があります。
(経験者です。数万円がふいになりました。)

2)ケバだち
削り、磨きも出来ずケバだってしまうときの処理として一度塗装(漆など)して
砥面ごと削りまた磨くことで収まることがあります。

3)業となるための工夫
能率よく仕事をするために治具の工夫が必要です。
また単品製作ではなく最低10個ぐらいは作り単価を下げる努力が必要です。

以上、木材の表面加工と題して私見を書いてみました。

お付き合いありがとうございました。

木材の表面加工について ~4.歩き彫り~

2011年 8月 22日(月曜日) 09:00
4回目は、歩き彫りについてです。
この彫は丸鑿を使い、鑿の幅の平行線を引き、その線の上に鑿の刃を置き、
鑿を手前に寝せて鑿の柄を左右に振りながら前に彫進みます。

次の線の同じ位置から同様に彫り進みます。
次、次へそうして最後にウズクリで磨くと菱型のピラミッドが連続し先ほどのバフの研磨とは一味違う表面加工になります。

木材の表面加工について ~3.バフの活用~

2011年 8月 15日(月曜日) 09:00
第3回目はバフの活用方法についてです。

バフは普通木目と並行にかけますが、最初鋸目と並行にかけてから木目と
並行にかけるとピラミッド状の粒が碁盤目状に並びます。
その後、木質よりも濃い目のオイルステインを塗り乾燥後にピラミッド状の頂上部分を軽く研磨するときれいな表情になります。

木材の表面加工について ~2.方法~

2011年 8月 08日(月曜日) 09:00
木材の表面加工についての第2回目ですが、今回は表面加工の方法です。

丸鉋、丸鑿は皆さんが使っておりますので今回は省略します。
ヤスリは面白いと思いますので簡記します。
ヤスリは平ヤスリ、鬼目ヤスリを斜め使いします。
平行線や桧垣が描け、いい表情になります。

平ヤスリは改造するといろいろな働きをします。
簡単なところではヤスリ目を切ってない面を金剛砥にかけて平らにすると使い勝手のいい道具になります。
刀掛け、鍔掛けではこのヤスリが活躍しております。

木材の表面加工について ~1.道具~

2011年 8月 01日(月曜日) 09:00
8月の匠日記を担当する事になりました凌雲洞工房の岩崎です。
今回の担当では、私が普段行っております木材の表面加工について5回に分けて書いていこうと思います。

第1回目は、道具についてです。
木材の表面加工に使用するのは、丸鉋、丸鑿、ヤスリ、バフなどを使っています。
丸鉋、丸鑿、ヤスリは粗仕上に、バフは仕上用です。

バフは電動工具に径20cm位の布、真鍮、ステンレス、スティールホイルを取り付けて使っております。


4)研ぎについて

2011年 1月 27日(木曜日) 00:00
IMG_0331ここでお伝えしたいことは革砥(かわと)の使用です。
局面鉋や彫刻刀を研ぐ時、最終仕上げに使います。
回転砥用の馬の革砥を水に濡らして回転砥にセットして研磨材を塗布して、その革砥で研ぐと素晴らしい切れ味になります。
昔の床屋さんがカミソリを革砥で研いでいたあの理屈です。
革砥に2種類あります。
大きい方では端で局面の内側を研ぎ、平面では通常の砥石の様に使います。
小さい方の革砥は端が薄く鋭角になっていますのでここでは筋彫りの鑿、彫刻刀の内側を研ぐ時に使います。

入手先
株式会社 三木章本舗
所在地 兵庫県三木市別所町東這田721-8
TEL 07948-2-1832

3)鑿(のみ)について

2011年 1月 20日(木曜日) 00:00
IMG_0341刃裏をべたにしないために鉋同様、裏出しをされるといいかと思います。
鑿は入手した時ほとんど丸刃になっておりますのでグラインダーで刃先と元との間を鋤いて取り成形して研いでおります。

平鑿は刃を斜めに滑らすと刃角が鋭角になるため良く切れます。
技法としては梃彫り、歩き彫り、スクリュー等の技法があります。

古い鑿の中に彫刻家 故石橋古鈴(いしばしこれい)氏の工房で使用されていた丸鑿を見た時、筒状ではなく弧を描くように研がれているのを見て、いい勉強になりました。
物から学ぶ姿勢も大事なことと思います。

中国の古典の中に『大学』という本があります。
この本の中に『心ここに在ざれば 視れども見えず 聴けども聞こえず 食えどもその味わいを知らず・・・』とのことが書かれております。
心の作用、つまり集中力を意味することだと思います。
大事なことです。

2)鉋について

2011年 1月 13日(木曜日) 00:00
IMG_0339皆さん二枚鉋を使っているかと思います。
私は一枚鉋しか使いません。
一枚鉋で二枚鉋での役も果たせます。
一枚鉋でも逆目も起さず切れます。
台と刃の隙間を0.5mm以内位に狭くして刃は薄紙一枚位しか出ないようにすれば逆目も起さず良く切れます。
刃合わせも楽です。
削りに当たって必ず台直しをしてから作業をします。
口埋めすることにより刃口の調整ができます。
切れるのは鉋では糸裏と言われております。
刃角によっても刃味は違って来ます。
刃こぼれする鉋身でも刃角を鈍角にすることにより素晴らしい名品に生まれ変わることもあります。

1)はじめに

2011年 1月 06日(木曜日) 00:00

IMG_0313私は定年後綾町に居住して10年、綾小学校正門前にて木工をしております。
屋号を凌雲洞工房(りょううんどうこうぼう)としております。

延岡に居住していた時、たしか協立病院の前身が凌雲堂の屋号を持つ医者であったと記憶しております。
その響きのよさにいずれの日にかとの念願からの命名です。
綾に居住した当初は刀屋へ鍔かけ、刀掛を納めておりましたが今は工芸まつり一本に絞って製作をしております。
目標とするところは指物の職人です。

木工品を作るために必要なものは切れる刃物かと思います。
切れる刃物の条件は刃物はいい研ぎをすれば切れます。
ただ永切れするか否かの違いです。
鋼は鍛錬、焼き入れの良しあしにより切れ味に差があります。
古い半世紀以上を経たような刃物は鋼が時の流れによって変化し良く締まって刃こぼれもなく実によく切れます。
このようなことから私は古道具を探し求めております。
削るにあたって留意すべきことは切れが止まるまで使わないことです。
切れが鈍った時点で使用をやめ研ぐことです。
切れ止まるまで使うと刃こぼれしやすくなります。
そうすると刃物を研ぐために費やす時間は数十分が必要です。
切れの鈍った時点で研ぐと数分で研ぎあがります。
気持ちよく仕事も出来ますし、能率も上がります。