Home匠日記2011年2011年04月木曜:綾の手紬染織工房(有光信二)
有光信二

有光信二

綾の手紬染織工房の有光さん。伝統工芸士に認定されたお話を語ってもらいます。

ウェブサイトURL: http://www.ayasilk.com

草木染のお話

2012年 2月 27日(月曜日) 09:00


工房の雛山が、完成しました!
花びらや苔っぽく緑色をしたもの、白く石のように見えるものは
何で出来ているかわかりますか?
答えは・・・・・工房でお確かめください。
3月4日(日)まで展示しています。
是非お越しください。 お待ちしています!

さて、最終回となる今回は、草木染のことを少しお話します。
工房では合成染料での染めもするので、草木っぽい色は出せます。
が、何というか、味わいとでも言うのでしょうか、
やはりそのあたりのことが草木染の染料の色とは違う気がします。

草木染の染料は、植物の実や皮などを煮出して染液を作るのですが、
この工程もなかなか楽しいものです。
色素がだんだん抽出されるにつれ、匂いが作業場全体に漂い
妙に気分がリラックスする時があります。
神経を落ち着かせる成分とかが含まれてるんでしょうかね。

今回、工房で割りと使うことの多い植物で染めてみました。

媒染剤(発色剤のようなもの)は木酢酸鉄とミョウバンを使用しました。
グレーっぽい方が鉄媒染です。
まずラックダイです。
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いきなりでなんですが、ラックダイは植物ではありません。
カイガラムシ科で、もとは「虫」です。 
臙脂虫(えんじむし)の一種のラック虫というものです。
樹木に寄生して養分を吸い上げ、体から分泌された樹脂状のものを精製して
取り出されたのが、ラックダイという染料です。

次は玉葱(ユリ科)

これは身近な染料ですね。
外側の茶色い薄皮を使います。
煮出しながら時々混ぜるのですが、
なんだか料理をしているような気分になり、自分で可笑しくなることがあります。
また、健康にも良く、玉葱茶なるものがあるそうですね。


これは楊梅(やまもも)です。(ヤマモモ科)
染料となるのは樹皮で、果実は生でも食べられ、
ジャムや果実酒などにもされます。
染料のほか、漢方薬にも用いられ、
下痢、打撲傷、解毒などに効用があるといわれています。

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矢車です。(カバノキ科)
ハンノキ、ミヤマハンノキ、ヤシャブシなど
カバノキ科の落葉樹の実を総称して矢車といいます。
昔はお歯黒にも用いられていました。

この他、工房では赤系だと茜、
黄色系は刈安やエンジュ、
茶系だと柿渋やカテキューなどを使って染めます。

皆さんの周りにも染色に使える植物が結構生えているのではないでしょうか?
一度挑戦してみてください。
充実した時間が過ごせますよ。

絞り染めのお話

2012年 2月 20日(月曜日) 09:00
工房での私の仕事は主に、着尺や帯用の糸染めです。



工房の秋山先生の指示で、藍染めか草木染、
またはその他の染めを使い分けます。
青系の色はもちろん藍染めです。
それ以外の赤系、グレー系、茶系などは、草木染でも結構多様な色が出せます。
草木染に関しては次回お話します。

糸以外では、他のスタッフが服やマフラー、布類を染めています。
今回はそれらに模様を染め抜く技法を、いくつかご紹介します。

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これは以前「こども藍染め体験教室」(小2~中3まで対象)で、小学3年生が染め
た作品です。
輪ゴム絞り、縫い絞り、板締めの3つの技法を使って染めています。
右下は輪ゴム絞りです。
布を輪ゴムで絞って、染めた後輪ゴムをはずすと、
絞った部分が白く模様になります。
どのように絞ったかわかりますか?

上は縫い絞りです。
布に下絵を描き、輪郭を針と糸で縫って引き絞り、染めます。
染め後、糸を引き抜くと下絵のとおりの柄になります。

左下が板締めです。
いろいろな形の板で布を挟んで染めます。
染めた後板をはずすとその形の模様になっています。

どれも絞ったり、板で挟んだりした部分に染料が浸透しないということを利用した技
法です。

それにしても針と糸で縫うのは小学3年生では、まだ学校で習っていないということ
だったのですが、
みんな短時間で縫えるようになりました。
こどもはなんでも上達するのが早いですね。
とはいってもこれは基本的なパターンですが、
工房の作品にはもうちょっと複雑化した技法を使います。

縫い絞りの技法の中に「きらめき絞り」という絞りがあります。
布に図面を書き

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縫っていきます

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糸を引き絞るとこうなります

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これを染めた後糸を抜くと

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「きらめき絞り」の出来上がりです。
少し離れて見ると、白い部分が本当にきらめいているように見えますよ。

次は板締めです。

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この花は2枚の板で布を挟みました。
2枚の板で6枚の花びら・・・?
そうです。花びらが6枚になるように布を折って、板ではさんでいます。

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この柄は板をはずした後、部分的に防染(染まらないようにすること)して染めてい
ます。
また、絞りや染めのときの力加減一つで雰囲気の違う作品が出来ます。
おもしろいですよー。

こうして縫い絞り、板締め、各々バリエーション豊富な中から
自分のイメージに合った技法を使い、形にしていきます。

工房のギャラリーで見ることが出来るので、是非お越しください。

藍の色、絞りのお話

2012年 2月 13日(月曜日) 09:00
我が家の梅が咲きました! 




もう春はそこまで来ています・・・花粉を連れて。
このごろ、風邪も引いていないのにクシャミを連発することがあります。
これから2ヶ月あまり、つらい日々が続きます。

さて、藍ですが、染めるときは熱を加えません。
一般的に草木染は、染料となる植物の皮や葉を煮出した汁に、布や糸を浸けて
加熱しながら染めます。
色の濃さは染料の量で決まります。
一方藍は、液につける回数を重ねることで濃くしていきます。
1年を通して24~26度に保った藍液に糸をしばらく浸けこんだ後、液から出して絞り
ます。
このとき色素が空気中の酸素と反応して(酸化)、青く発色します。
おもしろいのは、最初の一回、白から染めたときだけですが、絞りきってからフツ、
と力を抜いた瞬間
緑色になり、それからだんだん青に変わっていきます。

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写真では再現するのはなかなか難しいですが、見事なエメラルドグリーンになりま
す。
時々お客さんの前で実演をしますが、緑色になった瞬間お客さんの口から「お~!」
という声が漏れます。
このときばかりは心の中で「どや顔」をします。(さすがにあからさまには出来ないの
で)
いつか動画サイトにアップしてみようかと思っています。

ところで藍にはそれぞれ濃さをあらわす名前がついています。

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一番薄いのは「藍白」です。 

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ほとんど白にしか見えないので、別名「白殺し」とも言います。
言い得て妙というか、昔の人の、言葉に対する遊び心が感じられます。

次が「瓶覗き」。 

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藍にちょっと浸けただけの、ごく薄い色です。
江戸時代中期を中心に染められました。

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「浅葱」です。
浅葱は本来薄い黄色(浅黄)を言っていましたが、
後に黄色をおびた薄い藍色をさすようになりました。
1700年代、伊達を好む遊び人の間で流行りましたが、一方で
江戸勤番の田舎侍が羽織の裏地に用いたことから、田舎侍を
野暮の代名詞として「浅葱裏」とののしったそうです。

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「納戸」
納戸は1750~60年ごろ、男物の裏地の色として愛用されました。
また、納戸という色名自体は江戸中期ごろから使われるようになったようです。

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「紺」
「紺」は中国古来の色名で、そのまま日本に伝わってきました。
日本書紀に服の色として登場し、江戸時代には、小袖の地色として
多く染められました。
染め色の代表だったため、染物屋のことを「紺屋(こんや)」と言いました。

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「褐」
藍染めの中で一番濃い色です。
「かち」は「勝ち」に通じたため、縁起を担いで
武具の染めや、祝賀の際に用いられ、日露戦争では
「軍勝色(ぐんかついろ)」として流行しました。
今風に言うなら「勝負色」でしょうか。

もっと細かく分類されているのですが、
工房で割と多く染める色を挙げてみました。

次回は絞り染めの話です。

蒅(すくも)のお話

2012年 2月 06日(月曜日) 09:00
昨年の4月以来、2回目です。
よろしくお願いします。

さて、先週の節分の日はずいぶん冷え込みましたが、
工房になんと、こんな長い「つらら」が出来ました!



工房でもう20数年仕事をしていますが、
このような「つらら」を見たのは初めてです、たぶん。

それとこの日の午後、工房で毎年恒例の「豆まき」がありました。

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みんながビニール袋をもって待ち構えているところへ、
豆(お菓子)が投げ込まれると、
「えっ!? この人がこんな動きをするの?」と、びっくりするぐらい素早い動きで
(シャッタースピードよりも速く)豆に一目散に向かっていく人がいたりして、
なかなか迫力のある、笑える豆まきでした。
これで鬼が退散して、今年一年、無事に過ごせたらいいですねー。

さて、前回は仕込みと管理のことを書きましたが、
原料となる「蒅(すくも)」のことを書いていなかったので、
その説明を少ししておきます。
「すくも」は、タデ科の一年草のタデ藍、という植物の葉を発酵させて、
堆肥状にしたものです。

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当行房の「すくも」は徳島から取り寄せています。
3月上旬に種をまき、7月から8月にかけて葉を刈り取った後乾燥させ、
倉庫の中に積んで12月初旬くらいまで発酵させます。
この間、藍師と呼ばれる人たちが、発酵の進み具合を見て藍葉に
水を打ち、上下をまんべんなく混ぜ返します(切り返しといいます)。
発酵が進むにつれ藍葉は熱をおび、70度にもなりますが、
藍師は発酵の状態を見極めるために裸足で作業をします。
こうして100日間ほどかけて作られた「すくも」は12月下旬ごろ当工房に
届けられ、仕込みを待つことになります。

次回からは、藍の色のこと、柄をつくるための絞りについて
お話します。

藍のはなし ~藍のお世話~

2011年 4月 28日(木曜日) 09:00
最近家の中に「ムック」という決して「きれい」とは言い難い、ビジュアル系バンドの曲が鳴り響いています。
初めの頃はただうるさいだけで、眉をひそめて聞いていたのですが、
慣れてくると時々聞き覚えのある、懐かしいメロディーラインが耳に入ってくるようになりました。
昭和の歌謡曲のような、はたまたフォークソングのような、そんな感じの曲が結構あります。
娘によると、あの時代を懐かしむ親が少なからずいるみたいで、そこからファンになり、母娘が一緒にライブに行ったりする
こともあるようです。
機会があれば一度聞いてみてください。
「ムック」です。

さて、においと華の状態を確認し、次に枝を使って色を見ます。
すくって液の色を、混ぜて泡の色を見ます。
現在使っている枝は曲がり具合が液をすくうのにちょうど良く、もう何年使っているでしょうか・・・
握る部分だけを残してほぼ黒く染まり、なにやら付着物がついているのが年月を感じさせます。
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藍は元々青いわけではなく、液自体は赤茶っぽい色をしています。
この赤っぽさ加減が藍の調子によって変化します。
透明感のある赤から濁りのある赤まで、時には真っ黒になることもあり、
どの辺の色なのか判断し、適切な処置をしなければなりません。
あと、場合によっては気になるところの液をちょっとなめてみたり、指で液の感触を
確かめる、ということもします。
このように仕事前に主に視覚と嗅覚で藍の調子を確かめ、その日どの藍で染めるかを決めます。

で、夕方、もう一度液の状態の確認をします。
現在カメが6グループ24本、プールが3グループ12本分稼動していますが、一つ一つ調子を見ていきます。
やることは、朝と同じですが、染めで使った藍は朝とは違う表情を見せます。
やはり疲れますね、藍も。
その日の染める量にもよりますが、多いときは夕方には瀕死の状態になることがあります。
古い藍に見られることですが、処置の仕方で寿命を縮めることがあるので迷うところです。

藍の調子を整えるのには、貝灰、水あめ、ふすま、灰汁等があります。
藍が若い(新しい)うちは、使ったら1~2日休ませるだけで回復しますが、歳を取ってくると(古くなると)そうはいかないので、
手当てが必要になってきます。
疲れて華がデレ~となっている時や、液が異常に赤くなった時は貝灰を入れてアルカリ度を上げてやると、
翌日落ち着きを取り戻します。
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逆に黒っぽくなったら水あめですね。糖分補給といったところでしょうか。
即効性はあるのですが、入れすぎると色落ちとかしやすくなるので、加減が必要です。
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水あめがおやつとするならば、ふすまはご飯といったところです。
入れてから効き目が現れるのが2~3日してからですが、その後の持久力が違うようです
しょっちゅう入れるわけではありませんが、大事な栄養源です・・・って、なんだか生き物のようですね。
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よく「藍は生きている」という言い方をしますが、藍の発酵菌がカメの中に繁殖していて、その発酵作用で蒅が発酵して、染められるようになるわけです(ザックリした言い方ですみません)。
なので、手をかけてやらないと菌のいい状態が保てないのです。

そして1日の終わりには藍を混ぜます。
この時も音や色、においに注意を払いながら
また、明日の朝が何事もなく迎えられるようにと、心に念じながら1日を終えます。
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というわけで、この日記も終わりです。
1ヶ月ありがとうございました。

最後に藍まつりの宣伝をさせてください。
4月29日から5月5日まで綾の手紬染織工房に於いて
「藍まつり」が開催されます。
今回も、藍染の新作が盛りだくさんで、特価販売も2~5割引でご提供させていただきます。
また、端切れも今年は充実しています。早い者勝ちですよ。
それと今年も藍染体験が出来ます。
こいのぼりの大が2,000円、小とハンカチ、手拭いマフラーが各1,000円で
バンダナが1,500円で体験できます。
それと今話題?の火山灰を使った草木染も体験していただけます。
こちらは2,100円です。
この機会にオリジナルの作品作りに挑戦してみませんか?
また、ちょっと小腹の空いた方には筍の煮つけと、天ぷらをご用意しています。
皆さん、ゴールデンウィークは是非工房に足をお運びください。
お待ちしています。

藍のはなし ~藍の変化~

2011年 4月 21日(木曜日) 09:00
先週末(4/16、17)に当工房は都城市にある“霧島ファクトリーガーデン”の「花まつり」に参加しました(私は16日だけ)。
そこで染色体験のコーナーを受け持ちました。
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体験内容は、スカーフをラックダイという染料で染めて火山灰灰汁で媒染する、というものです。
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出来上がりの色は、元のラックダイの濃さにもよりますが、弱冠青みを持ったピンクから赤紫系の色です。
やさしい色に染め上がりますよ。今の季節にピッタリの色だと思います。
4月29日からの藍まつりでもやりますので、是非ご来場ください。
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さて、まだ朝晩は少し肌寒く感じられますが、春本番といった感じです。
藍も季節を感じるのでしょうか、このごろ色艶が良くなってきました。
そういう藍の変化を感じるのは、まず藍甕(カメ)のふたを開けたときです・・・
私の1日はカメのふたを開けることから始まります。
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が、その前にまず深呼吸して匂いの確認。
匂いは藍の健康状態を知る重要な手がかりになります。
どんな匂いかというと・・・んー、文字にするのは難しいのですが、鼻にツンと来るようなアンモニア臭とでも言いますか、
女性からは「髪を染める液の匂いみたい」と、よく言われます。こちらのほうがわかり易いですかね?
子どもにはよく「臭い!」と言われます。 まー、確かに一般的にはいい匂いとは言えないかも知れませんが、
決して不快な臭いではありませんよ。しばらくしたら慣れますから。
で、ふたを開けます。
毎日やっていることなのですが、一晩でガラッと調子が変わることもあるので、ちょっと緊張する瞬間です。
まず確認するのが藍液の表面に浮かんでいる「華」です。
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「華」というのは、カメの底の蒅が発酵するときに炭酸ガスを発生させて出来たものです。
なので、「華」があるということは、ちゃんと発酵していると言うことなのでまずは一安心なのですが、
それと藍の調子の良し悪しとはまた別です。
「華」の量、色、盛り上がり方などで判断します。
新しく、調子の良い藍の華は赤紫っぽい色をしていて、量も多く、こんもり盛り上がっています。
こういうときの藍は一見良く染まりそうに見えるのですが(実際良く染まるときのほうが多いです)、
いざ染めてみると思ったほど染まらないということが、たびたびあります。
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そこで次に藍液の色を見ます。これにはちょっとした道具を使います。
それは、枝です・・・続きは次回で。
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藍のはなし ~仕上げ編~

2011年 4月 14日(木曜日) 09:00
先週末、綾の馬事公苑周辺の桜を見に行ったのですが、満開で菜の花の黄色と
桜の淡いピンク色(ほとんど白に見えますが)の対比が見事でした。
ただこの頃桜を見ると、妖しさとか怖さを感じることがあります・・・私だけですかねー?
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さて、仕込み後、発酵は順調に進み5日後(4/6)の朝に中石、夕方に麸(ふすま)を灰汁でといて入れました。
中石とは発酵を一旦止めるための貝灰のことです。
仕込みの時の貝灰は発酵を促し、中石は発酵を抑制する・・・?な感じですね。
でもそういう2通りの働きがあるようです。
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麸(麦の皮のくず)は栄養分で、藍は仕上げまでの間に力を蓄え、仕上げで一気にそれを放出する、というイメージですかね。
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中石と麸を入れて2日後(予定通り4/8)いよいよ仕上げです。
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仕込みの時半分位入れた灰汁を、プールいっぱいに満たします。
この灰汁は一番灰汁というアルカリ度の高い灰汁を使います。
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ちなみにプールの大きさは、3石甕(さんごくがめ)=一升瓶300本分程度の容量=の4つ分です。 
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そして最後に貝灰を入れて完了です。この時の貝灰を「止め石」といいます。
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やっと藍は仕上がりましたが、これで終わりではなく、これからが本番です。
出来立てホヤホヤの藍から古い藍まで、毎日使える状態にしておかなければなりません。
そのための管理が欠かせないのです。
あと2回、そのへんの事をお話します。
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藍のはなし ~仕込み編~

2011年 4月 07日(木曜日) 09:00
初めまして。
綾の手紬染織工房で染を担当している有光です。
今月4回にわたりブログを書くことになりました。
よろしくお願いします。

さて、我が家では鹿児島から娘が帰ってくることになり、その荷物が近々家に届くので
それを置く場所を確保しなければならないということで、狭い家の中を右往左往しています。
が、そんなことにはお構いなしに締切日はやってくるのです。

と、いうことで普段携わっている藍のことを書いてみようかと思っているのですが、
藍の歴史とかはネットで検索すれば山ほど情報が得られるので、
今回は毎日どのように藍と関わっているのかを知っていただくことによって、
少しでも藍に興味を持っていただければ、と思っています。

さて、4月1日に新しく藍を仕込みました。
普段は男二人でやる作業を今回は以前このブログに登場した研修生の田中麻莉也さんと仕込みをしました
小柄ながら重たいものを運んだり、良くやってくれましたが、さすがに仕込み後はヘトヘトになっていました。

当工房の藍は「灰汁発酵建て」といって木灰の灰汁(あく)で原料となる「蒅(すくも)」を発酵させて染まる状態にします。
この工程が仕込みです。
今回は大きなプールで仕込みました。その中に蒅5俵と灰汁を入れ、よく踏み込みます。
その後「貝灰(貝殻を焼いて灰にしたもの)」を加えて混ぜ、さらに焼酎を振り入れます。
2,3日したら発酵が始まり(写真は4/3~4/5までの発酵の様子です)、1週間後には仕上がります。
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実際に染められるのは、それからさらに3日後位からです。
ただ、仕上がり具合によってはもう数日置く場合もあります。
仕上げ予定は4月8日(金)です。
来週はその様子を見ていただけると思います。
それと、使い始めてからの藍の管理はどうしているのかもお話してみようと思っています。
お楽しみに。

ところで、4月29日から5月5日まで工房において藍祭りが開催されます。
そこで藍の説明を、実際に藍を見ながらさせて頂くこともできますので、
ぜひ会場に足を運んで、気軽に声をかけて下さい。
また、藍染の体験もできますので、作品作りにも挑戦してみてください。
祭りの詳細は後日お知らせできると思います。