藍のはなし ~藍のお世話~

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最近家の中に「ムック」という決して「きれい」とは言い難い、ビジュアル系バンドの曲が鳴り響いています。
初めの頃はただうるさいだけで、眉をひそめて聞いていたのですが、
慣れてくると時々聞き覚えのある、懐かしいメロディーラインが耳に入ってくるようになりました。
昭和の歌謡曲のような、はたまたフォークソングのような、そんな感じの曲が結構あります。
娘によると、あの時代を懐かしむ親が少なからずいるみたいで、そこからファンになり、母娘が一緒にライブに行ったりする
こともあるようです。
機会があれば一度聞いてみてください。
「ムック」です。

さて、においと華の状態を確認し、次に枝を使って色を見ます。
すくって液の色を、混ぜて泡の色を見ます。
現在使っている枝は曲がり具合が液をすくうのにちょうど良く、もう何年使っているでしょうか・・・
握る部分だけを残してほぼ黒く染まり、なにやら付着物がついているのが年月を感じさせます。
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藍は元々青いわけではなく、液自体は赤茶っぽい色をしています。
この赤っぽさ加減が藍の調子によって変化します。
透明感のある赤から濁りのある赤まで、時には真っ黒になることもあり、
どの辺の色なのか判断し、適切な処置をしなければなりません。
あと、場合によっては気になるところの液をちょっとなめてみたり、指で液の感触を
確かめる、ということもします。
このように仕事前に主に視覚と嗅覚で藍の調子を確かめ、その日どの藍で染めるかを決めます。

で、夕方、もう一度液の状態の確認をします。
現在カメが6グループ24本、プールが3グループ12本分稼動していますが、一つ一つ調子を見ていきます。
やることは、朝と同じですが、染めで使った藍は朝とは違う表情を見せます。
やはり疲れますね、藍も。
その日の染める量にもよりますが、多いときは夕方には瀕死の状態になることがあります。
古い藍に見られることですが、処置の仕方で寿命を縮めることがあるので迷うところです。

藍の調子を整えるのには、貝灰、水あめ、ふすま、灰汁等があります。
藍が若い(新しい)うちは、使ったら1~2日休ませるだけで回復しますが、歳を取ってくると(古くなると)そうはいかないので、
手当てが必要になってきます。
疲れて華がデレ~となっている時や、液が異常に赤くなった時は貝灰を入れてアルカリ度を上げてやると、
翌日落ち着きを取り戻します。
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逆に黒っぽくなったら水あめですね。糖分補給といったところでしょうか。
即効性はあるのですが、入れすぎると色落ちとかしやすくなるので、加減が必要です。
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水あめがおやつとするならば、ふすまはご飯といったところです。
入れてから効き目が現れるのが2~3日してからですが、その後の持久力が違うようです
しょっちゅう入れるわけではありませんが、大事な栄養源です・・・って、なんだか生き物のようですね。
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よく「藍は生きている」という言い方をしますが、藍の発酵菌がカメの中に繁殖していて、その発酵作用で蒅が発酵して、染められるようになるわけです(ザックリした言い方ですみません)。
なので、手をかけてやらないと菌のいい状態が保てないのです。

そして1日の終わりには藍を混ぜます。
この時も音や色、においに注意を払いながら
また、明日の朝が何事もなく迎えられるようにと、心に念じながら1日を終えます。
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というわけで、この日記も終わりです。
1ヶ月ありがとうございました。

最後に藍まつりの宣伝をさせてください。
4月29日から5月5日まで綾の手紬染織工房に於いて
「藍まつり」が開催されます。
今回も、藍染の新作が盛りだくさんで、特価販売も2~5割引でご提供させていただきます。
また、端切れも今年は充実しています。早い者勝ちですよ。
それと今年も藍染体験が出来ます。
こいのぼりの大が2,000円、小とハンカチ、手拭いマフラーが各1,000円で
バンダナが1,500円で体験できます。
それと今話題?の火山灰を使った草木染も体験していただけます。
こちらは2,100円です。
この機会にオリジナルの作品作りに挑戦してみませんか?
また、ちょっと小腹の空いた方には筍の煮つけと、天ぷらをご用意しています。
皆さん、ゴールデンウィークは是非工房に足をお運びください。
お待ちしています。

最終更新日: 2011年 5月 31日(火曜日) 09:51
有光信二

有光信二

綾の手紬染織工房の有光さん。伝統工芸士に認定されたお話を語ってもらいます。

ウェブサイト: www.ayasilk.com