Home匠日記2011年2011年04月金曜:陶房八十一(興梠智一)陶房八十一第30回綾工芸まつりを振り返って その3

第30回綾工芸まつりを振り返って その3

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経済を考慮することが悪いわけではありません。
我々はプロであって、アマチュアでも慈善事業でもありません。
しかし、我々の仕事が評価される、価値あるものとして世間に受けられているのかどうか。
現状ではそれは大いに疑問です。 
だからとって、売らんかなといった態度を取っては工芸家としてどうなのか。

それは単純に作家としてのプライドの問題を言っているわけではありません。 
お金が欲しいのならば、別に無理して工芸を続ける必要はないのですから。 
お金を稼ぐ手段は他にいくらでもあります。
それよりも工芸作家が生きにくい社会構造いや世間の意識に、問題がある。
そういったことを今こそ、我々が訴えていかなければいけない。 

これは工芸の社会的地位向上を訴えているわけではありません。日本の伝統工芸はしっかりと社会的な地位はあるはずですから。
我々も含む社会全体が、一体どういう価値観で動いているのかをもう一度見つめ直してみましょう、ということなのです。 
そこから考えていかなければ、訴えていかなければ我々の工芸作家としての明日の生活は無い、ということなのです。
それは、有田やあるいは京都、金沢といった由緒ある伝統工芸の産地ではなく、辺境のこの綾からだからこそ言えるのではないか。 

そういったことが「企画班」では話し合われたのです。

平成23年2月7日のグラスアート宮崎での企画班、広報班合同の会議のレジュメには、前回までの話し合いから下記のことが記されています。

工芸コミュニティ会員全員が目指す工芸の町・綾における「綾工芸まつりの理想像・存在意義・(我々にとって綾工芸まつりとは一体なんなのかをもう一度見つめ直す!)
身近な生活居住空間の日本伝統文化が廃れ、無機質な物質があふれる現在の日本社会に有機野菜、工芸手づくりの里・綾から日本人へ警鐘を鳴らし、今一度日本人が長年かけて到達した「物」へのこだわりやありがたみの大切さを思い起こさせ、自然のぬくもりや伝統に囲まれた空間のご提供の場として、全国に発信する【様々な工芸家が集う町・綾手づくり職人の祭典】でありたい。

・・・今、冷静に見てみると、だいぶ熱く語っていた、少々気負いすぎ?みたいですが(^^ゞ
まあ、それくらいの気概をもって望みたいという各人の熱意の現れなのです。 

最終更新日: 2012年 1月 24日(火曜日) 21:22
やそいち

やそいち

陶芸家。独身42歳。

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