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新しい蚕の飼育が始まる

2011年 5月 10日(火曜日) 09:00

お米にもコシヒカリ、あきたこまち、など、品種があるように、蚕にも品種があります。

蚕の歴史は品種改良の歴史といってもいいほどですが、特に明治以降の品種改良はめざましいもので、飛躍的に繭の粒は大きくなり、均質な糸が作れるようになりました。

しかし、その一方で、古い品種・・原種には原種の味があり,美しさがあります。

 

綾の手紬染織工房では、「小石丸」という日本の原種・・凡そ100年ほど前に主流だった品種・・を、昭和63年から復活させて、飼育を続けてきました。

IMG0010 (左が小石丸、右が一般品種)

 

当時は蚕糸業法など、厳しく国のルールに縛られている中で、様々な手を尽くしてようやく飼育にこぎつけることが出来ました。そのあたりの事情は、綾の手紬染織工房のサイトに詳しく書いてあります。(甦った幻の絹「小石丸」養蚕奮戦記)

私たちが小石丸を使うのは、藍染めをした時にけば立ちがなく、美しい織物が出来るからです。

確かにできあがる織物は美しいのですが、粒が小さく糸も短くて細いため、とても価格が高くなってしまいます。

 

そこで、一昨年から、小石丸のようにけば立ちがなく藍が美しく染まり、かつ経済的にも優れた品種を探して、飼育と染織を繰り返してきました。

しかし残念ながら、今まで試した4品種は、いずれも藍染めするとけば立ちが起きてしまいました。

 

今年はこれを最後と決めて、蚕業技術研究所が開発した新品種、「蚕技研11号」を飼育してみることにしました。

なにしろまだほとんど実用に供されていないものですから、名前は味気ないものです。藍染めに適していて私たちが使い続けることに決まれば、その時にはかわいい愛称を付けようと思います。

 

さて、その蚕技研11号、先日蚕種・・卵が蚕業技術研究所から届きました。

25℃の環境で約10日保管して、5月7日、無事に孵化してきました。

5℃の環境で2日間待機して、9日から、いよいよ飼育が始まりました。

 

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孵化したばかりの蚕は、最初は蟻のようです。

70匹のメスが生んだ卵を譲り受けましたが、1匹約400~500粒の卵を産み、約35000頭が孵化してきました。これはもちろん数えたわけではなく、重さで計算したものです。

黒く塊のように見えますが、これが孵化ばかりの蚕のかたまりです。

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1万頭ごとに分けて、飼育します。

パレットの上に広げて、上から餌をかけていきます。

餌は、2齢までの稚蚕期は、桑の葉を配合した人工飼料を使います。衛生面と、省力化を考えて、最近は稚蚕飼育は人工飼料育が一般的です。

 

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次のレポートを書く来週には、かなり大きくなっていることと思います。