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趣味の陶芸 No.14 ~釉薬の原料で発色に異なり~

2012年 6月 22日(金曜日) 09:00
今回はよく使用される釉(うわぐすり)を幾つか例に原料と発色についてお話します。
まずは、釉薬(ゆうやく)の原点と言われる灰釉についてです。
原料は木炭と長石です。
発色は一般的に透明の薄い緑色ですが木灰の種類で微妙に異なります。
松灰、かし灰、いす灰、土灰(雑木)などがよく使用されます。

次に石灰釉です。
一般的にこの釉を透明釉と言う場合が多く、広く利用されています。
調合はさまざまですが、わたしの所では石灰、長石、珪石(けいせき)、蛙目(がいろめ)などを使用しています。
この二種類の釉にそれぞれ酸化銅を加えると織部釉という透明な深い緑色の釉になります。
また、銅を加えた有名な釉に辰砂があり、発色は真っ赤です。
同じ銅でも全く発色が異なります。

次に鉄を少量加えたものに淡いブルーの青磁釉、たくさん入れると茶色や黒になる鉄釉、飴釉、天目釉などがあります。
お分かりのように基礎釉に酸化金属を加えると全く違った発色をするのです。
銅や鉄以外にもコバルト、チタン、マンガン、クロム、ニッケルなど様々な酸化金属が使用されています。

全く逆にほとんど長石だけでできているシンプルな釉が志野釉、そしてわら灰が原料のわら白釉も有名です。
釉薬って奥深いですね。

趣味の陶芸 No.13 ~窯のたき方で全く違う発色~

2012年 6月 15日(金曜日) 09:00
釉薬(ゆうやく)の話しと言っても非常に奥が深いので、さわりの部分だけお話します。
釉薬は確かに色彩がありますが、水彩絵の具などとは全く違います。

まず、原料は灰と土石と酸化金属などです。
そのため釉薬を調合した時点ではどの釉も白とかグレーまたは茶色など極めて地味な色をしています。
ところが、窯で焼くと白、赤、緑、青、黒など見事な色に発色して出てくるのです。
同じ原料で作った釉でも窯のたき方によって緑に出たり赤に出たりなど全く違う発色をします。

その上に流れが出たり貫入と言ってヒビが入ったりガラスのように透明だったり、逆にマット釉のように不透明だったり、結晶釉のようにまだら模様がでたりなどさまざまです。
なかなか厄介だったりしますが、だから面白いのかもしれません。

それでは簡単に調合の仕方を説明します。
灰や土石類を決められた分量だけバケツやたらいに入れ、泥状になるぐらいまで水を加えかき混ぜます。
それを専用ポットに入れ、ミルという機械で回転させ数時間かけてすりつぶします。
終わったらバケツに出し、水分濃度を調整し素焼きの器にかけて窯に入れます。

今では調合したものが材料店にはたくさんあります。
水で溶かして簡単に使えますので安心して下さい。

趣味の陶芸 No.12 ~釉薬始まりは燃料まきの灰~

2012年 6月 08日(金曜日) 09:00
今回からは釉薬(ゆうやく)のお話をします。
釉薬とはうわぐすりとも言われるように、陶器の表面を覆っているガラス状の物質のことです。
釉薬の役目は
①表面を滑らかにする
②陶器の強度を高める
③防水力を高める
④器に彩りを添える
などがあります。

さて、釉薬は何で出来ているのでしょうか?
簡単に説明すると、灰と土石と酸化金属などでできています。
原料や作り方については次回説明するとして、今回は釉薬の始まりをお話します。

縄文時代は野焼きで土器が焼かれていました。
もちろん当時は釉薬などなく素焼きの状態です。
次の時代になると強度を高めるため穴を掘って窯を作り、より高温で焼くようになりました。
すると器に付着した燃料のまきの灰が溶け、窯から出してみると器の表面にはガラス状の光沢ある被膜ができていました。
灰がくっつくと器の表面に光沢ができることが発見されたのです。
そして、人為的に灰を器にくっつけ焼くようになったのが釉薬の始まりです。
その後、研究が進み今のように多種多様の釉薬が開発されたのです。
研究開発は現在も続いています。

逆に備前焼や信楽焼などのように釉薬を付けずに、まき窯で昔ながらの焼きしめで焼いた自然釉や灰かぶりと言った非常に高価な焼き物も作られています。