Home匠日記2011年2011年09月水曜:泰田久史(八衛門窯)
泰田久史

泰田久史

八衛門窯

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さすが!綾町

2011年 9月 21日(水曜日) 09:00
ここ数年、綾町を離れることが多い。
そんな中、8月に知った綾町関連のニュースにはびっくりした。

ニュースの内容はこうだ。
照葉樹林の町で知られる綾町の広沢ダムに水上スキー場が整備され、20日にオープンする。
森林に囲まれた静かな湖面を前面に打ち出し、世界大会の誘致を目指す。
10月に新装オープンする照葉大吊橋とともに町の新たな観光スポットとして期待されている・・・

ニュースの内容は以下のサイトをご覧下さい。
MCN宮崎ケーブルテレビ「デリステNEXT」 広沢ダム水上スキー場開設のニュース

テレビの画面に映し出される水上スキーに挑戦する子供の姿を見て思わず「さすが綾町」と声を出してしまった。
当たり前のことだが、ダムはレジャー用に作られたものではない。
目的外に使用するには、町だけではなくさまざまな行政機関や関係団体、地元住民の理解を得なければならないはずである。
聞くところによれば、数年間の粘り強い活動の末ようやく許可が下りたという。

最近、どういうわけか県や市町村の行政関係の方に会う機会を頂いている。
ほとんどの人は公務員としての使命感を持ち、真面目に仕事されている方ばかりであり、心打たれることも多い。
しかし、中にはできない理由ばかりを探し、したり顔でいばっている人がいて、
住民活動の障害ではないかとさえ思える人がいるのも事実である。
(もちろん、そんな人はほとんどいません。くどいようですが念のため)

小さい町ながら、きらきらと光り続ける綾町の秘密をみた思いがし、そんな町に工房がある事を誇りに思う。

八衛門窯 泰田久史

八衛門窯3

2011年 3月 16日(水曜日) 09:00
東日本大震災発生から5日目を迎えた。
今はただ、一人でも多くの方の無事を祈るのみである。
同時に、これまでの人類の歩みや、本当に大切なものについて一人ひとりが本気で考える機会としなければならないと思う。
手作りの仕事をしている我々の役割も、小さくないのかもしれない。
(前回の続きは次の機会にさせていただきます)

八衛門窯2

2011年 3月 09日(水曜日) 09:00
綾町に工房を開いた判断は間違っていなかったと思う。(前回つづき)
照葉樹林という大きな宝を守り、手作り文化である工芸を町づくりの主軸に据えた綾町と、その綾町を訪れたお客さんのお蔭で、何とかやきもの屋を続けてこれたと思っている。
aya_town
最初の工房は、通り沿いにあった。(現在は移転してます)通行量も多く、商業上の立地は最高である。
窯元というと山深いところにあるというイメージをもたれる方も多く、何度かガッカリ?された。
陶芸の工房は場所をとる。
窯や作業場の他に土や釉の置き場や作品の乾燥場所などがいるためだ。
しばしば「よく、こんな狭い所でやってますねー」と言われたが、全く問題なかった。
実際、移る前はアパートの台所ですべての作品を作っていたし、作業台は学習机にベニヤを貼ったものだった。

自分にとっては最高の夢工房であり、開窯当初はうれしくて眠れず、夜中何度も外から工房をながめた。(またまた、続く)
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八衛門窯1

2011年 3月 02日(水曜日) 09:00
平成8年、綾町で窯元としてスタートを切った。
その2年ほど前、8年間勤めていた仕事を辞し、パートタイムの仕事をしながら窯を開く場所を探した。
不動産屋さん巡りを繰り返しつつ、知り合いやツテを頼ったが、条件に合う場所はなかなか見つからなかった。
積年募らせていた夢の実現は甘くなかった。

RIMG2722
そんな流れの中、軽い気持ちで訪れた綾町役場の親切な対応は忘れられない。
何の実績もないのに、妙な自信だけはある無名の陶芸家である私に、綾町の良さや工芸コミュニティの仕組みについて熱心に説明してくれたのである。
それまで誰それの紹介だからと義務的な(気のせいかな?)対応が続いた中、うれしかった。
綾町にしようと思った。

あれから早いもので15年、その時の判断は間違っていなかったと思う。(つづく)