
工房の雛山が、完成しました!
花びらや苔っぽく緑色をしたもの、白く石のように見えるものは
何で出来ているかわかりますか?
答えは・・・・・工房でお確かめください。
3月4日(日)まで展示しています。
是非お越しください。 お待ちしています!
さて、最終回となる今回は、草木染のことを少しお話します。
工房では合成染料での染めもするので、草木っぽい色は出せます。
が、何というか、味わいとでも言うのでしょうか、
やはりそのあたりのことが草木染の染料の色とは違う気がします。
草木染の染料は、植物の実や皮などを煮出して染液を作るのですが、
この工程もなかなか楽しいものです。
色素がだんだん抽出されるにつれ、匂いが作業場全体に漂い
妙に気分がリラックスする時があります。
神経を落ち着かせる成分とかが含まれてるんでしょうかね。
今回、工房で割りと使うことの多い植物で染めてみました。

媒染剤(発色剤のようなもの)は木酢酸鉄とミョウバンを使用しました。
グレーっぽい方が鉄媒染です。
まずラックダイです。

いきなりでなんですが、ラックダイは植物ではありません。
カイガラムシ科で、もとは「虫」です。
臙脂虫(えんじむし)の一種のラック虫というものです。
樹木に寄生して養分を吸い上げ、体から分泌された樹脂状のものを精製して
取り出されたのが、ラックダイという染料です。
次は玉葱(ユリ科)

これは身近な染料ですね。
外側の茶色い薄皮を使います。
煮出しながら時々混ぜるのですが、
なんだか料理をしているような気分になり、自分で可笑しくなることがあります。
また、健康にも良く、玉葱茶なるものがあるそうですね。

これは楊梅(やまもも)です。(ヤマモモ科)
染料となるのは樹皮で、果実は生でも食べられ、
ジャムや果実酒などにもされます。
染料のほか、漢方薬にも用いられ、
下痢、打撲傷、解毒などに効用があるといわれています。

矢車です。(カバノキ科)
ハンノキ、ミヤマハンノキ、ヤシャブシなど
カバノキ科の落葉樹の実を総称して矢車といいます。
昔はお歯黒にも用いられていました。
この他、工房では赤系だと茜、
黄色系は刈安やエンジュ、
茶系だと柿渋やカテキューなどを使って染めます。
皆さんの周りにも染色に使える植物が結構生えているのではないでしょうか?
一度挑戦してみてください。
充実した時間が過ごせますよ。