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うるし15 ~はげた部分に麻布張り修理~

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修理を頼まれることが時々あります。本当は買い求めた所に頼むのがいいのですが、代々受け継がれてきた古い漆器などはどこで購入したのか分かるはずもありません。そんな時のわたしの修理方法は、題して「パッチワーク修理法」です。例えば着物が破れた場合、破れた所に別の布を当ててパッチワークのように修理した物がありますが、私もその方法で修理しています。漆器の場合、もし朱色のおわんなんかがはげた状態だったら、そこの部分だけ同じ朱色を作って塗ることはほとんど不可能です。わたしははげた部分に麻布を張って傷を隠し、それを一つのデザインとして生かしています。傷がない所にもバランスを考えて麻布を張ります。丸や三角など好きなように布を切って張り、その上に色うるしを塗り重ねます。傷ついていた漆器は今風に甦ります。

もし、沈金や蒔絵(まきえ)が施されている漆器の場合にはその絵柄が消えてしまいますので、諦めるか、輪島や木曽の修理専門店に頼むしかありません。漆器は木地が割れない限り、何度でも塗り直しができます。職人というものは、自分の作った物が十分に使い込まれて、それで「直してくれ」と戻ってきた時が一番うれしいものなのです。
最終更新日: 1999年 11月 30日(火曜日) 09:00
かたかべ雄人

かたかべ雄人

身も心も漆にかぶれてしまったかたかべさんが、漆器について語ります。

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