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照葉窯

照葉窯 (17)

趣味の陶芸 No.17 ~自分なり発想 生活演出して~

作者: 窪田健司 2012年 12月 10日(月曜日) 09:00
最終回となりました。
今回は作った陶器でどう楽しむかを考えてみましょう。
自分自身の生活での一番の楽しみ方と言ったら食器ではないでしょうか。
食事の器以外にも花生けや植木鉢で草花を楽しんだり金魚鉢を作り金魚やメダカを飼ったり
ランプを作って明かりや香炉で香りを楽しんだりできます。

ひと味違う楽しみ方としては、表札やタイル、陶板を作り家を演出するなどもありますし、
傘立てやポストも手作りにすることができます。
これらすべてを使った手作りのホームパーティーなどというのも、できたら最高ですね。
またプレゼントに手作りの陶器を贈ると喜ばれると思います。

最終的に残ってしまう陶器はフリーマーケットに出し材料代を稼ぎ、新たな陶器を作るというのもいいでしょう。
まだまだほかにも自分なりのアイデアを出して手作り陶器を楽しんで下さい。

十七回という枠では陶芸のさわりだけの紹介になりましたが、陶芸に魅力を感じた方は勉強してみてください。
結構楽しめると思います。
当窯では一日体験を実施していますので興味があればのぞいてみてください。
皆様といつかどこかでお会い出来たら楽しいですね。

趣味の陶芸 No.16 ~種類違う窯にそれぞれ特徴~

作者: 窪田健司 2012年 12月 03日(月曜日) 09:00
今回は窯の種類と特徴について説明します。
窯の種類は
①薪窯
②重油、灯油窯
③ガス窯
④電気窯
などに大別できます。
それぞれの窯の特徴について説明していきます。

①薪窯は昔からある唯一のものです。
薪窯は大きくあな窯と登り窯の二種類に分けられます。
あな窯は単室のものです。
登り窯は複数の室を傾斜をつけ下から順番にたき上げていく窯です。
燃料の薪の灰の影響を大きく受けることとガスなどと違い薪の柔らかい炎でたき上げるので
しっとりとした焼き上がりになります。
欠点は置く場所によっては不良品が多く出ることです。

②重油、灯油窯は燃料費が安いことと薪風の焼き具合が少し楽しめる事が特徴です。

③ガス窯はLPG(液化ガス)のプロパンやブタンガスを使用します。
非常に安定性が高く保守管理がしやすく、焼き上がりや雰囲気調整もやりやすい、
また、割と経済的など優れた要素が多いので戦後大変普及し、今では窯の主流になっています。
照葉窯もメーンにガス窯を使っています。

④電気窯は今ではコンピュータ制御のものが多く、とにかく扱いが非常に楽です。
初心者には特に最適です。
上絵付け焼成にもよく使用される窯です。

以上紹介した窯の中で自分の作品や環境などを考え選択してください。

趣味の陶芸 No.15 ~窯たき最重要良し悪し決定~

作者: 窪田健司 2012年 6月 29日(金曜日) 09:00
このシリーズも終盤に入ります。
焼き物の過程で最も重要な工程の焼成、一般的には窯たきといいます。
窯を用いることで焼成温度が格段に高くなり釉(うわぐすり)を生みだすことになります。
高温になったことで焼ける土の種類や釉の種類が非常に増え、現在のように多彩な焼き物ができるようになりました。
さらに、窯のたき方をコントロールすることによって同じ原料で作った物でも焼き上がりが違ってきます。
何をコントロールするのか?いろいろな要素がありますが、幾つか挙げてみましょう。
①窯の燃料
②窯の種類、大きさ
③温度
④温度の上げ方
⑤酸素の供給量
⑥冷却方法
などです。
特に⑤の酸素供給量の調整は重要で発色が大きく違ってきます。

陶芸の世界では焼成方法を大きく二つに分類しています。
酸化焼成と還元焼成です。
もちろん中間もありますし強弱もあります。
酸化焼成は十分酸素を供給して焼くのに対して還元焼成は故意に酸素を供給しにくい状態にして、
焼き物自体から酸素を奪い取っていく焼成方法です。

焼き物は良くも悪くも窯たきで決まるので非常に重要な工程と言えるのです。
陶器を焼き物というゆえんです。
新しい窯の場合は少なくとも数回のテスト焼きをして調整方法を確立していきます。

趣味の陶芸 No.14 ~釉薬の原料で発色に異なり~

作者: 窪田健司 2012年 6月 22日(金曜日) 09:00
今回はよく使用される釉(うわぐすり)を幾つか例に原料と発色についてお話します。
まずは、釉薬(ゆうやく)の原点と言われる灰釉についてです。
原料は木炭と長石です。
発色は一般的に透明の薄い緑色ですが木灰の種類で微妙に異なります。
松灰、かし灰、いす灰、土灰(雑木)などがよく使用されます。

次に石灰釉です。
一般的にこの釉を透明釉と言う場合が多く、広く利用されています。
調合はさまざまですが、わたしの所では石灰、長石、珪石(けいせき)、蛙目(がいろめ)などを使用しています。
この二種類の釉にそれぞれ酸化銅を加えると織部釉という透明な深い緑色の釉になります。
また、銅を加えた有名な釉に辰砂があり、発色は真っ赤です。
同じ銅でも全く発色が異なります。

次に鉄を少量加えたものに淡いブルーの青磁釉、たくさん入れると茶色や黒になる鉄釉、飴釉、天目釉などがあります。
お分かりのように基礎釉に酸化金属を加えると全く違った発色をするのです。
銅や鉄以外にもコバルト、チタン、マンガン、クロム、ニッケルなど様々な酸化金属が使用されています。

全く逆にほとんど長石だけでできているシンプルな釉が志野釉、そしてわら灰が原料のわら白釉も有名です。
釉薬って奥深いですね。

趣味の陶芸 No.13 ~窯のたき方で全く違う発色~

作者: 窪田健司 2012年 6月 15日(金曜日) 09:00
釉薬(ゆうやく)の話しと言っても非常に奥が深いので、さわりの部分だけお話します。
釉薬は確かに色彩がありますが、水彩絵の具などとは全く違います。

まず、原料は灰と土石と酸化金属などです。
そのため釉薬を調合した時点ではどの釉も白とかグレーまたは茶色など極めて地味な色をしています。
ところが、窯で焼くと白、赤、緑、青、黒など見事な色に発色して出てくるのです。
同じ原料で作った釉でも窯のたき方によって緑に出たり赤に出たりなど全く違う発色をします。

その上に流れが出たり貫入と言ってヒビが入ったりガラスのように透明だったり、逆にマット釉のように不透明だったり、結晶釉のようにまだら模様がでたりなどさまざまです。
なかなか厄介だったりしますが、だから面白いのかもしれません。

それでは簡単に調合の仕方を説明します。
灰や土石類を決められた分量だけバケツやたらいに入れ、泥状になるぐらいまで水を加えかき混ぜます。
それを専用ポットに入れ、ミルという機械で回転させ数時間かけてすりつぶします。
終わったらバケツに出し、水分濃度を調整し素焼きの器にかけて窯に入れます。

今では調合したものが材料店にはたくさんあります。
水で溶かして簡単に使えますので安心して下さい。

趣味の陶芸 No.12 ~釉薬始まりは燃料まきの灰~

作者: 窪田健司 2012年 6月 08日(金曜日) 09:00
今回からは釉薬(ゆうやく)のお話をします。
釉薬とはうわぐすりとも言われるように、陶器の表面を覆っているガラス状の物質のことです。
釉薬の役目は
①表面を滑らかにする
②陶器の強度を高める
③防水力を高める
④器に彩りを添える
などがあります。

さて、釉薬は何で出来ているのでしょうか?
簡単に説明すると、灰と土石と酸化金属などでできています。
原料や作り方については次回説明するとして、今回は釉薬の始まりをお話します。

縄文時代は野焼きで土器が焼かれていました。
もちろん当時は釉薬などなく素焼きの状態です。
次の時代になると強度を高めるため穴を掘って窯を作り、より高温で焼くようになりました。
すると器に付着した燃料のまきの灰が溶け、窯から出してみると器の表面にはガラス状の光沢ある被膜ができていました。
灰がくっつくと器の表面に光沢ができることが発見されたのです。
そして、人為的に灰を器にくっつけ焼くようになったのが釉薬の始まりです。
その後、研究が進み今のように多種多様の釉薬が開発されたのです。
研究開発は現在も続いています。

逆に備前焼や信楽焼などのように釉薬を付けずに、まき窯で昔ながらの焼きしめで焼いた自然釉や灰かぶりと言った非常に高価な焼き物も作られています。

趣味の陶芸 No.11 ~器のフォルム 勉強してみて~

作者: 窪田健司 2012年 6月 01日(金曜日) 09:00
わたしも今までにいろいろなデザイン方法に挑戦してきましたが、いつの間にか主たる作品は象嵌(ぞうがん)とかき落とし技法になっていました。この技法は大変手間がかかりますが、それだけに仕上がった時の達成感はひとしおです。
それでは、この技法について説明します。

象嵌は陶器だけでなく木工や金属、ガラスなどいろいろな物に使われる技法です。
陶器の場合は、まず器の表面に彫刻刀やかんな、針などで文様を彫刻します。
わたしのメーンのモチーフは木立です。
枝の一本一本まで針で彫っていきます。
ほかにトンボや麦、タンポポなどもあります。次に彫った部分に素地と異色の泥を塗り込みます。
少し乾いたら余分な泥を丁寧に削り取ります。するとデザインした柄がきれいに表れるのです。
絵付けなどとはまた違う切れ味の良いシャープな線が描け、しかも表面が平らに仕上がるのが特徴です。

かき落としは象嵌とは逆です。
生の器の表面に色の違う化粧泥を丁寧にはけで塗り、半乾きの状態の時にかんなや針で慎重に化粧土をかき落として文様を彫刻する技法です。
最後にもう一つ、デザインで最も重要なことは器のフォルムです。美しいフォルム、すてきなフォルム、面白いフォルム、勉強してみてください。

趣味の陶芸 No.10 ~装飾法は無限 アイデア次第~

作者: 窪田健司 2011年 12月 30日(金曜日) 09:00
絵付け以外にもいろいろな技法が陶器には使われています。

まず、白化粧土を表面に塗る技法です。
粉引(こひき)と刷毛目(はけめ)があります。
絵付けの下地として白化粧土を塗る場合もあります。
白化粧を削って文様を描くかき落としの技法や花柄の印花を全面に押して白化粧を塗る三島手などもあります。
特に土物では、この白化粧を大変よく使います。

次に、違う色の粘土を使い、しま文様や市松模様、時には花柄などを描き出す練り込み、または練り上げ技法というものもあります。また絵付けと仕上がりは似ていますが、和紙や布を葉っぱ形などいろいろな形に切り器に貼り付け呉須(ごす)などで染めていく和紙染め、布染めというものもあります。

表面加工する技法ではへら目、くし目、彫刻、面取り、透かし彫り、張り付けなどがあります。
ほか、葉っぱやレースなどの形押しや印花文などもあります。

釉薬(ゆうやく)の掛け方で文様をつける方法としてはマスキングやロウ抜き、掛け分け、重ね掛け、吹き掛けなどもあります。
アイデア次第で装飾方法は無限にあります。
最初はいろいろな技法を経験してみるといいと思いますが、そのうちに自分の気に入った物を選び追求していくと、作品内容が深まると思います。

趣味の陶芸 No.9 ~絵の具は多彩 自由に描いて~

作者: 窪田健司 2011年 12月 23日(金曜日) 09:00
陶器には釉薬(ゆうやく)だけで仕上げてあるものと、いろいろな文様が施されているものとがあります。
今回からは文様の入れ方、装飾方法について説明します。

まずは、一番ポピュラーな絵付けです。
絵付けには下絵付けと上絵付けの二種類があります。
素焼きの器に絵付けをし、その上に透明釉などの釉薬をかけて仕上げるものを下絵付けといいます。
上絵付けは本焼きした器に絵付けをし、再度焼いて仕上げます。

使用する絵の具も下絵の具、上絵の具とそれぞれ専用のものがあります。
現在では研究が進みたくさんの色の絵の具がありますが、
昔から使用されている絵付けの原点ともいえる絵の具が呉須(ごす)と鉄です。

呉須とはコバルト成文を多く含み、青や紺色に発色します。
呉須を使った絵付けを呉須絵とか染付けと言います。
一方、鉄絵の具は紅柄(べんがら)などの鉄分を多く含んだ絵の具で赤や茶、黒などに発色します。
これで絵付けされたものを鉄絵といいます。

ほかにも、酸化クロムの緑のように水彩絵の具などと違い高温に耐えられるように金属成分や鉱物などが多く含まれているのも特徴と言えるでしょう。
今ではピンクやオレンジ、紫などいろいろな絵の具が市販されていますので自由に描いて楽しんで下さい。

趣味の陶芸 No.8 ~ろくろで成形 菊練りが大切~

作者: 窪田健司 2011年 12月 16日(金曜日) 09:00
ろくろの種類には、手で回す手ろくろ、足でけり回転させるけ(蹴)ろくろ、モーターで回す電動ろくろなどがあります。
ろくろ成形の仕方をさわりだけ説明します。
最初に五から十キロの粘土を菊練り(粘土の中に空気が入らないように、粘土を万遍なく練る)します。
菊練りをしないと、作りにくい、傷やひびが入るなどの原因となります。

菊練りした粘土をろくろ板の上にたたいて山状にセットします。
手に水を付け、ろくろを回転させながら中心を出し、でこぼこのないきれいな山にします。
この作業を土殺しといいます。
次に粘土の先端を必要な太さの棒状にして、中心を指で押し下げ穴を開けます。
粘土先端の直径と穴の深さで器作りに必要な粘土量と器の大きさが決まってきます。

そして両手の指先で器の側面をはさみ、少しずつ薄く、大きく延ばしていきます。
ほぼ目的の器になったら「こて」や「しか皮」で形を整えます。
高台分の土を底に残し、しっぴ(ろくろ用切り糸)で切ったら、両手ですくい上げるように器を取り、
板にのせ半乾きさせてかんなで高台削りをして完成です。

ろくろの引き方、回転方法、道具なども各窯元でかなり違いがあります。
ろくろ成形は熟練が必要なので、うまくなるには非常に時間がかかります。
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